寺谷用水土地改良区とは

土地改良区って何?

  • 土地改良法により、都道府県知事の認可を受け設立される団体で法人格を有します。地区内の土地について参加資格を有する者はすべてが組合員(農地の所有者または使用収益権者)となることとされているなど、「公共組合」としての性格を有しています。
  • 土地改良事業(農業農村整備事業)や、土地改良施設の新設・更新・維持管理等を実施します。土地改良区が自ら行う土地改良事業においては、その事業主体として活動しますが、国営・県営等の土地改良事業が実施される場合は、事業で造成された土地改良施設の管理受託や、事業に係る受益者負担金の徴収等にも携わります。
  • 土地改良区の意思決定は、組合員による総会(または総代会)の議決によってなされます。

寺谷用水土地改良区の仕事

当土地改良区は、用水量の調整や施設の維持管理等を行っています。
農地や農業用水は、食料の安定供給に欠かせない基盤であるとともに、美しい農村景観など多面的機能を持つ大切な資源です。
400年以上前、磐田市寺谷地先から取水が始まった寺谷用水はパイプライン事業等により、その姿を変えましたが流れる水は昔と変わらず地域の田を潤しています。
寺谷用水土地改良区はこの豊かな水を後世に残していきます。

組織の概要

名 称 寺谷用水土地改良区
所在地 静岡県磐田市加茂1番地
電話番号 0538-32-4655
設立年月日 昭和26年10月5日
認可番号 静土改第21号
法人番号 7700150046039
受益面積 1,450ha(畑かん17.5ha)
組合員数 2,300名
役 員 理事 13名(員外理事2名)
監 事 3名(員外監事1名)
総 代 44名
職 員 6名
関係市 磐田市
賦課金 3,300円/10a
(畑かん1,100円/10a)
転用決済金 320円/㎡
(畑かん地区の畑は1/3)

寺谷用水土地改良区の事業や活動

当土地改良区で実施している活動の一部をご紹介します。

土地改良区の仕事について(維持管理に関することなど)

用水路の管理(水位調整)

各地区へ均等に配水するために定期的に点検を行っています。
写真はネルピックゲートを操作する様子です。

用水路の管理(ゴミ取り)

用水路内のゴミを取り除いている様子です。
各用水組合の役員さんにもご協力いただいています。

水管理システムの操作

水管理システムで主要分水工の遠隔操作を行う様子です。
※基本的には現場で作業します

用水路の流量の確認

水管理システムでは計測できないポイントで水位を観測する様子です。きめ細かな配水を行うために実施しています。

各種事務処理

賦課金徴収事務や他目的占用事務、農地転用事務など日常業務の様子です。

広報誌「寺谷用水だより」の発行

当土地改良区は毎年7月に「寺谷用水だより」を発行し関係者に配布しています。
写真は職員による編集作業の様子です。

安全対策に関すること

フェンス更新

用水路は流れが速く深いので非常に危険です。用水路には転落防止のためのフェンスを設置していますが、老朽化により古くなったフェンスは通学路付近等を優先して新しいものにしています。

※用水路付近では子供を遊ばせないよう注意しましょう!

ポンプオーバーホール…ポンプ場内のポンプをオーバーホール(分解清掃)している様子

パイプライン地区への通水に支障を来すことのないよう定期的に点検をして経年劣化した部品や故障箇所を見つけ出し、分解清掃や修理、部品交換などを行って本来の性能の回復を図っています。
また、ポンプ設備のトラブル発生を未然に防ぐため、耐用年数に応じて計画的にポンプオーバーホールを実施しています。

視察研修に関すること

当土地改良区の活動について地域の皆様にご理解ご協力いただけるように視察研修会を開催しています。

小学生・中学生・高校生の視察受入れ

磐田市立豊田北部小学校 「総合学習」

静岡県立磐田農業高等学校「現地見学会」

若手耕作者視察研修会

「ドローン」について

「GISシステム」について

その他の講習会

シンポジウム「寺谷用水の歴史と今」

磐南文化講座「寺谷用水430年の功績」

施設の修繕に関すること(磐田市との協働活動)

空気弁分解清掃
用水路小修繕

毎年、当土地改良区と磐田市役所は、地元の農業者を対象に「空気弁の分解清掃」「用水路の小修繕」に関する講習会を共同開催しています。
ビデオを使って補修手順を説明した後、実際に現場で講習を行っています。

記念碑公園に関すること

昭和54年に船明ダムが完成するまで使用された阿蔵取水口(浜松市天竜区)の管理所跡地が記念公園となっておりましたが、平成13年に飛竜大橋が開通したことにより、約50m南(橋の南側)に移設され、寺谷・磐田用水記念碑公園として整備されました。この公園には用水に関する「碑」が並んでおります。

①「水流而不競」
(みずはながれしかしてきそわず)

…競わずとは寺谷と社山を表す。(寺谷用水と社山用水が平等に水を流しましょうという意味)
鈴木正一氏揮毫

②「水滾々七千町歩豊の秋」
(みずこんこんななせんちょうぶとよのあき)

…磐南一帯に水がきたという意味。
江塚勝馬氏の句

記念碑公園の全景

③「留魂碑」
(りゅうこんひ)

…石碑の先頭文字は留の旧字体で2つの口は寺谷と社山の取入口という意味を込めている。
山内克巳氏が揮毫

①②は昭和19年の磐田用水の通水を祝って残された。
③は昭和58年の磐田用水土地改良区連合解散時に残された。

水源涵養林に関すること

当土地改良区は平野重定公が水路を開削した年から数えて350周年記念事業として昭和31年から現在まで浜松市天竜区水窪奥領家において水源涵養林の育成に努めています。この永年の取り組みが評価され平成15年には国土交通大臣から、令和4年には内閣総理大臣から表彰状をいただきました。

内閣総理大臣表彰

後列右から6人目が池田理事長(写真:内閣府提供)

▲「表彰状」 2022年4月16日受賞 みどりの式典にて

▲「表彰状」2003年8月1日受賞

役職員による視察の様子

感謝米に関すること

水の恵みに感謝~感謝米を水源地に~

平成24年度から、「天竜川の恩恵を受けている者として、上流部の水源を管理している方々に感謝し新米を贈りましょう」という趣旨のもと磐田用水東部土地改良区と合同で始めた活動です。
組合員の皆様からいただいた新米は長野県駒ケ根市・喬木村、森林組合等に「感謝米」として贈り、学校給食などに活用されています。
今後も本活動を続けてまいりますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

▲感謝米贈呈式の様子
左側:浜松市天竜森林組合長
中央:寺谷用水土地改良区理事長
右側:磐田用水東部土地改良区理事長

▲小学校の給食で使われている様子

▲組合員から感謝米を受取る様子

▲喬木第一小学校お礼の手紙

水源地ってなに?

天竜川上流部の山林を指します。
良好に管理された山林の土は、スポンジのような役割を果たしています。降った雨は森林というフィルターを通してゆっくりと天竜川に注がれています。川の水の量を一定に保つだけでなく、洪水や渇水を防ぐ効果もあるそうです。

下流で水を利用している私たちは、森林を守っている方々に対する感謝する気持ちを忘れてはならないと思います。